前回の第9話の最後のシーンで「あなたはどなたですか?」と放たれたミヤビの言葉が衝撃でした。
ミヤビの記憶はまた回復するのでしょうか。
また、今回は記憶障害だけでなく深刻な運命も突き付けられます。
アンメット第10話のあらすじ
一過性健忘の症状が現れ、突如、三瓶(若葉竜也)が誰だか分からなくなってしまったミヤビ(杉咲花)。
今回は軽い発作で済んだが、大迫(井浦新)は三瓶にミヤビの病状を詳しく伝えた上で、手術するにはあまりにも危険だから絶対に手を出すなよ、と釘を刺す。
一方、三瓶は大迫の元で見た、より精細な脳のMRI画像を思い出していた。
ミヤビの記憶障害の原因は、決して人がメスを入れてはいけない領域“ノーマンズランド”にあり、無理に手術をすれば命に関わる状態。
しかしこのまま放っておいて再発すれば、同じ結果を招く。
ならば手術にかけるしかないのか…葛藤しながらも手術の練習に没頭する三瓶に、ミヤビはある決意を口にする。
アンメット第10話視聴レビュー
ミヤビの命と記憶を救う方法は手術しかない
第10話最後のシーンで、ミヤビは三瓶に対し「どなたですか?」と言ってしまうほどに、一瞬で記憶を失ってしまいました。
このまま記憶が戻らないのではと心配しましたが、それは一過性健忘症と言って一時的なものであり、2分ほどで自然に回復できたので、とりあえずは安心です。
しかし、第10話でのミヤビは、病院スタッフに声をかけられても短時間記憶がなく、日記をめくって誰なのかを確認したりする場面もあって気になりました。
幸いスタッフ達に気づかれることはなく、すぐに立ち直れましたが、ミヤビの今後の記憶障害回復には暗雲が立ち込め、不安を払拭できないのが現状です。
記憶障害の原因であるミヤビの脳の「ノーマンズランド」に踏み込む手術の成功だけが解決策なのですが、現段階での可能性はありません。
ミヤビは「このまま、手術をせずに現状を維持し、最後まで脳外科医として患者を救いたい」とし三瓶に決意を語るのでした。
少しでも成功の可能性があるのなら、手術に賭けたい思いはミヤビにも十分あるはずですが、三瓶が手術をして失敗した後のことをミヤビは心配したのです。
「三瓶先生は自分を責めて、立ち直れない。」「三瓶先生にはいつも笑顔でいてほしい。」と。
しかし、三瓶を思うミヤビの決意は安泰とはいかなくなってきます。
そんなことも言っていられないほどにミヤビの病状は深刻化していたのでした。
皆が心配してくれるとはいえ、病気を抱える本人であるミヤビは、どれほど孤独で恐怖や不安と闘っているのかと思うと胸が痛みます。
手術をしなくてもいずれミヤビは脳梗塞で死に至る
看護師長・津幡(吉瀬美智子)、院長の藤堂(安藤順平)、三瓶、大迫教授)の4人がミヤビの手術について話し合います。
「現段階で、手術は不可能で記憶障害の治療法はない。」と言うのが大迫教授の結論です。
大迫教授は、7テスラ超精細MRI画像も三瓶に見せ、「無理してやれば彼女の命を奪うだけだ。絶対に手を出すな!」と念を押していたのでした。
院長の藤堂は、その事実をわかった上で、「あー、これは私の理解なんですが・・」と切り出します。
藤堂は、簡単な図を書いて示し、「海馬動脈が事故で損傷して細くなり、放置すればさらに血管が細くなって脳梗塞が完成し、命にかかわることになる」と説明しました。
三瓶も大迫教授も藤堂の説明を理解し、受け止めるしかありませんでした。
手術をしないで脳梗塞で死ぬのか、手術の失敗で死ぬのか、ミヤビの運命は「死」に向かうしかないのか?
三瓶の葛藤
三瓶は、「この先症状が進行して脳梗塞が避けられない状況になったら、もう手術に賭けるしかないでしょう。」と言ってみたものの、ノーマンズランドの手術は、大迫教授から「2分で0.5ミリ以下の血管を縫うのは不可能」と断言されています。
「手術を成功させなければ、ミヤビは脳梗塞で死ぬ」
「手術を成功させれば、命も助かり記憶障害も治せる」
希望と解決は後者にしかないのですが、今の三瓶の実力では後者を選択することはできないのでした。
助けたいが助けられない自分への怒り、もどかしさで思わず「クソッ!」と頭を抱える三瓶です。
現在の三瓶の手術にかかる時間は8分45秒です。
これから2分で手術を終えるように時間を縮めていけるのか、間に合うのか。
大迫教授は手術をしませんから、三瓶が諦めるか諦めないか、技術を高めることができるのか、それだけにかかっているのです。
大迫教授が言っていた「世界にほんの一握りしかいない0.5ミリ以下の血管を手術できる医師」にも、藁をもつかむ気持ちで助けを求めたくなります。
このままでは終われませんよね。
脳腫瘍の画家と妻の愛は消えない
脳腫瘍で余命3か月から半年と診断された画家の柏木周作(加藤雅也)を診る中で、ミヤビは我が身に柏木の症状を重ね、不安を募らせました。
しかし、またもや、ミヤビに勇気をくれたのは脳の病気で苦しむ患者・周作とそばで看病する妻・柏木芳美(赤間麻里子)の姿でした。
脳腫瘍の症状が進行し、潜在意識の抑制が効かずに「一人だったらもっといい絵が描けていた。」と言う夫・周作。
結婚したせいで、生活のために描きたい絵を描けなかったネガティブな潜在意識を周作は抑制できず、最愛の妻に吐き出してしまうのです。
妻の芳美は「むしろ言いたいことが言えて良かったのかも・・・」と夫を責めることもせず、自分を納得させます。
全て、病気のなせる業とはいえ、私だったら傷つくだけでなく、夫にやりきれない気持ちや怒りをぶちまけてしまったかもしれません。
相手が病気でなければ、直ちに夫婦喧嘩に発展するところです。
でも芳美は、「むしろ言いたいことが言えて良かったのかもしれませんね。」と夫の失言も優しさで受け止めるのです。
脳腫瘍末期の夫・周作の記憶障害は、ついに妻の存在を忘れるまでになっていました。
しかし、ある時「モデルになってくれませんか」と妻・芳美に・高校時代の出会いのときの言葉をかけたのです。
2人にしかわからない、青春の日の愛の記憶。
美術部だった周作が、芳美に絵のモデルを頼んだのが二人の馴れ初めでした。
その時の思いや記憶が、現在を覚えていない周作の心に蘇ったのでしょうか。
「はい。」と泣きながら、周作を抱きしめる芳美でした。
芳美を描いた周作の絵は、もはや誰と判別できないほど曖昧に描かれたものでしたが、「ステキですね。」とミヤビは芳美に伝えました。
その絵こそが、記憶も失って表情も乏しくなり、死を迎える周作の命の証でした。
「記憶は失っても感情は覚えている」
愛という感情は、永遠に消えないのではないかと希望を持たせてくれます。
「失われるものばかりではなかった。」「失われないものもある」ミヤビは二人の姿に、心底感銘を受けたのでした。
ミヤビは三瓶に言いました。
「私はずっと怖かったんです。このまま何も残らずに消えちゃうのが」
「だけど、もう大丈夫だなあって、、、。失われないものもあるんですね。」
本当にそうであってほしい。
今はそれがミヤビの唯一の希望であり、胸にともった光なのだから。
西島会長と大迫教授の汚職事件の結末
第9話では大迫教授の通報で西島秀雄会長(酒向芳)が警察に連行されましたが、第10話では「関東医大拡張建設をめぐる汚職事件」としてニュースになっていました。
大迫教授も汚職の現場にいたので、共犯容疑に問われるのかもしれませんが、現段階では事情聴取に留まり、逮捕は免れています。
「第9話の視聴レビュー」で浮かんだ私の疑問の一つに、「西島会長が贈賄罪を問われるのなら、関東医大は公立病院なのか?」というものがありました。
汚職事件と報道されたたことから、やはり関東医科大学は公立病院で、会長が理事の買収のために賄賂の金を渡したのは「贈賄罪」にあたることになるのですね。
さて、大迫教授に関しては、「ミヤビのために本当に親身になって治療にあたっていたんだなあ」と今回は、大迫教授を疑った自分を反省した私ですが、汚職にかかわった大迫教授は残念でなりません。
私は、大迫教授が出世と保身を優先させているとばかり思って、バッドイメージを捨てきれないで来ましたが、少し穿った見方だったようです。
大迫教授は関東医大を辞めることになりましたが、今後どうするのでしょうか?
もし、ミヤビを助けたいとずっと思ってきたなら、三瓶に協力してミヤビの手術の成功に尽力していほしいと願うばかりです。
ミヤビ、ついに脳梗塞で倒れる?
大変です。
最後の場面で、ミヤビが星前に呼ばれて三瓶のところから離れたとたん、ばったりと倒れてしまいました。
もしかして、これが院長・藤堂の行っていた「脳梗塞の完成」による致命的な症状でしょうか?
第11話の最終回で真実は明かされることでしょう。
まとめ
次回このドラマ「アンメット」が最終回を迎えるというせいなのか、第10話はストーリーの急展開が感じられました。
西島会長等の汚職事件といい、ミヤビの「脳梗塞問題」といい、解決のための結末は、最終回に待たなければならないようです。
三瓶とミヤビの関係も最後はどうなるのでしょうか。
次回は固唾を飲んでドラマを視聴することになりそうですね。
まだまだ目が離せません。
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