「アンメット」第3話:視聴レビュー

ミヤビが記憶を失う前の三瓶との関係は、婚約者同士だった。

衝撃の事実を知った第2話から、第3話ではその全貌が少しずつ解き明かされていきます。

そこにはミヤビへの隠された熱い思いがあったのです。

アメリカでもトップクラスといえる脳外科専門の病院から、三瓶は、何故わざわざ帰国し、国内レベルでもそれほどランクの高くない丘陵セントラル病院に勤務することになったのか、その理由もだんだんわかってきます。

目次

第3話のあらすじ

三瓶友治(若葉竜也)から「僕たちは婚約していました。」と告げられて、川内ミヤビ(杉咲花)は混乱し、動揺します。

同時に、三瓶は、ミヤビの脳は治る可能性があるから検査をさせてほしいと申し出ます。

しかし、主治医の大迫教授(井浦新)から、もう治療法がないと言われているミヤビは、結果がダメだった時の自身の落胆も考えて、三瓶の提案をすぐには受け入れることができません。

一方、病院のスタッフたちは、少し前に、津幡(吉瀬美智子)が、関東医大のミヤビの主治医・大迫教授(井浦新)を訪ねたことを知り、ミヤビに手術を担当させないための直談判だと思い込んでしまいます。

また、安全室長という津幡の立場を理解しつつも、あまりに厳し過ぎる指導への反感もあり、恐怖政治は人を不幸にすると陰で言って不満を吐き出したりする有様です。

救急部長の星前(千葉雄大)は、脳外科医がミヤビしか居なかった時、「手術できる脳外科医がいないから。」と慢性硬膜下血種の急患手術を勝手に断った津幡に猛然と抗議をします。

それだけでは気が収まらず、星前は院長の藤堂(安井順平)に「看護師長でありながら、手術を勝手に断るのは越権行為だ」と訴えに行くのでした。

その時、星前は、院長の藤堂から、津幡の過去を知らされることになります。

患者を死なせてしまった手術で、責任の重圧に耐えられなくなった手術担当医が辞めてしまったのは、オペ看護師(手術の補助を担当する看護師)だった津幡が、気付いた異常を指摘しなかったためだと考えて後悔していること、トラウマを持っていることを知らされるのです。

そのために、自分を戒め、行き過ぎるとも思える厳しい指導になっているのではないかと。

その話を聞いた星前は、ミヤビに「津幡師長がミヤビちゃんに手術をさせないのは、仲間を失いたくないからなんだって。」と伝えることに。

津幡がトラウマから手術器具を落としたのを見て、拾うのを手伝ったミヤビは、休みの日に津幡を遊園地に誘い、お互いの心を開いて距離を縮めていきます。

そんなある日、スタッフが、確認の甘さから患者を危険にさらすミスを引き起こしてしまいました。

ミスをしたスタッフは、責任を感じて平謝りするのですが、意外にも津幡は「相談できないように感じさせてしまった私の態度にも責任がある。そのために患者の安全を危険にさらしてしまった。」と自らの否を詫びるのでした。

本当の安全というのは、仲間を信じて、力を合わせることから生まれるのだと学びました。」「ありがとうございました。」と言う津幡の態度に、スタッフの津幡を見る目も変わっていきます。

第3話の視聴レビュー

第3話は、三瓶とミヤビの関係や看護師長の過去のエピソード、関東医大の綾乃(岡山天根)と会長の娘・麻衣(生田絵梨花)の関係など、てんこ盛りの内容で焦点が分散してしまいそうでしたが、頑張って見どころポイントを抽出してみました。

三瓶に対するミヤビの心の変化

「僕たちは婚約していました。」

「それから僕は、記憶障害について調査と研究を繰り返してきました。」

「僕は、川内先生を治したい。」

三瓶が真剣なまなざしで語る衝撃の告白に、真実がどうかもわからず混乱するミヤビでしたが、星前に見せられた一枚の写真には、ピースサインをして幸せそうに寄り添うミヤビと三瓶の姿が映っていました。

心がざわつきながらも、三瓶に対する気持ちには何か否定できないものを感じていきます。

それが愛なのかはまだはっきりしません。

しかし、ミヤビの記憶障害は治る可能性があり、検査をさせてほしいという三瓶の申し出には大きく心が揺れます。

「記憶障害が治ったら、また以前のように脳外科医として仕事ができる」という喉から手が出るほど欲しい希望

しかし、期待した結果がダメだったら、「もう立ち直れない」という絶望

希望と絶望のはざまで、簡単に返事などできないまま、どうしても三瓶を避けてしまうのです。

この心の動揺を、ミヤビ役の杉咲花さんは見事に演じています。

三瓶の言動に対する、ミヤビの表情の一つ一つに心の変化が見て取れます。

第3話ラストの緊急硬膜下血種手術の場面では、手術をする部屋の鍵が開かないとわかって三瓶がドアを蹴ったとたん、思わずミヤビも駈け寄って一緒に蹴っていました。

また、三瓶に「助手は・・・」と見つめられた時、見つめ返したミヤビの脳裏に、「あなたはできます」と言ってくれた三瓶の姿が浮かび、「やります」とはっきり答えるのでした。

日記に書いてなくても、記憶の一片が蘇ったのは初めてのこと。

それはミヤビ自身にも驚きだったのです。

ついにミヤビは言います。

「わたしの心は、三瓶先生を信じてるんだってわかりました。」

「わたしの脳を検査してください。」と。

その日のミヤビは、「三瓶先生は婚約していたと言ったけれど本当だろうか?」という疑惑を書いたところを修正テープで消し、「私は三瓶先生を信じる。」と書き残すのです。

この変化はとても画期的です。

三瓶とミヤビの関係の進展だけでなく、脳外科医としての再生にとっても大きく前進することが予想できます。

この二つは車の両輪のように回り始めてドラマの推進力になっていく予感がします。

注目すべき変化です。

看護師長・津幡のミヤビへの対応の変化

津幡の師長としての態度は、スタッフに冷徹でスキがない印象を与え、ミヤビに対する手術をさせない態度も行き過ぎに感じられるほどでした。

しかし実際のところは、ただの意地悪な看護師長ではなかったとわかってきます。

本当はプロ意識が強い有能な人物で、仲間のことを誰よりも本気で考えてくれていたのです。

ただ、オペ看をしていた時の過去の手術で、患者の酸素飽和度の数値に違和感を感じていたのに、場の雰囲気で指摘をためらい、患者の死につながってしまった自責の念を強く持っていました。

それで、スタッフには神経質なほど、基本的な指導を厳しく行っていたのです。

また、その手術担当の医師が、死に至らしめた手術結果の重圧に耐えきれず、去って行ったことも心の傷となって残りました。

このことがトラウマになり、手術器具を持つと手が震え、オペ看にはならず、安全室長として現在は最善を尽くしているのでした。

こういうところはミヤビの記憶障害という後遺症の苦しみと似たところがありますよね。

天敵とも見える、キツイ看護師長・津幡が、一番ミヤビに近いところで苦しんでいるなんて、誰が想像したでしょうか。

ところが、ミヤビは、震える手で手術器具を持ち、床に落とてしまった津幡を見て、いち早く気が付くのです。

「看護師長も私と同じだ」と。

そこから、二人の関係の距離が縮まるのは時間がかかりませんでした。

休日の遊園地行きをミヤビから誘い、お互いが心を開いて話すうちに、共感できることに気づくのです。

遊園地の隣り合った「ターザンロープ」に二人並んでぶら下がり、「怖くないの?」「怖いでーす!」と悲鳴を上げて、滑り落ちるシーンは、二人の関係の雪解けを感じさせます。

ミヤビの純粋で、心から津幡を思う気持ちが通じたのでしょうか、「私に足りないのは、あなたを信じる気持ちだったのかもしれない。」と津幡は言うのでした。

このことは医療現場にいい影響を及ぼし、チームの結束も高まっていきます。

ミヤビの脳外科医としての再起にも、大きな前進をもたらしてくれるはずです。

医療現場にとって、いかに看護師長・津幡の存在が大きいかに改めて気付くことでしょう。

第3話で大きな比重を占めている部分で、二人の関係の変化も見どころになっています。

・津幡の本質がわかる名セリフ

「川内先生は、受け入れ要請があったとき、不安な顔をしましたよね。」「だから反対したんです。」「あの時の川内先生は、準備と覚悟が足りていなかったから」

「川内先生が毎日手術の練習をしているのは知っています。」「乗り越えようとしているのよね。」

「私に足りていなのは、あなたたちを信じることかもしれませんね。」

このセリフを聞いて、「ああ、良かった。これで、ミヤビの人生の再生がまた一歩進んだ。」と喜んだのは私だけではないはずです⸜(ू•◡•)

スタッフが一丸となって手術に立ち向かう感動の場面

第3話の最後では、緊急を要する手術なのに鍵が開かなくて、皆がドアに体当たりするシーンが出てきます。

そこでも先陣を切ったのは三瓶先生!「(患者を)ほかに回しますか」と言う諦めかけた声を物ともせず、ドアに突進!

間髪を入れず、ミヤビ、星前と続き、最後は全員がドアに群がっていました。

患者の命を助けたいという一心で、スタッフ全員がとっさの体当たりをした結果、ドアは倒れて開き、無事に手術が出来ました。

チームが一つになった瞬間でした。

看護師長は急場のオペ看を買って出てしっかり役目を果たし、ミヤビも自分から「やります」と言って、助手を務め切りました。

その後のスタッフ飲み会では「やっぱり津幡師長は最高だなあ!」という声が・・・。

そこに、思いがけない津幡の登場。もちろんみんな大歓迎でした。

大きな大きな歯車が回り始めましたね。

今後の展開に見逃せないポイントです。

まとめ

第3話は、

・三瓶とミヤビの関係の進展

・看護師長・津幡の自己変革が好影響となり、医療現場が一つになっていく様子

・ミヤビの脳外科医としての再生に不可欠な記憶障害の治療への希望

など大切なシーンがいくつもありました。

見どころを絞るのが難しいくらい、ストーリーの要素が、たくさん散りばめられていましたが、感動シーンは必ず拾えます。

大きく物語が動き出した第3話でしたので、第4話への期待は高まるばかりです。

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