ついに最終話になってしまいました。
第10話で突然倒れたミヤビに、「脳梗塞」の危機が浮上しましたが、最終話の11話でミヤビは運命を変えることができるのでしょうか。
誰もが願うミヤビの医師としての再生と三瓶との愛の再生は果たされるのでしょうか。
このままで終わってはいけない。
そんな気持ちでミヤビを応援したいです。
三瓶をはじめとして、仲間達のミヤビを救いたい気持ちも一つになっていきます。
ミヤビの手術はどうなるのかも注目です。
第11話のあらすじ
ミヤビ(杉咲花)が激しい頭痛に襲われ、倒れた。
検査の結果、再発が認められ、このまま症状が進めば意識障害が出る可能性も高い。
脳梗塞が完成して命に関わるのも時間の問題という切迫した状況に。
三瓶(若葉竜也)は、すでに数時間しか記憶がもたなくなっているミヤビに、これ以上症状が進行するようなら、手術を任せてほしいと伝えるが、ミヤビの意思は固く、やはり手術はしないという。
あきらめきれない三瓶は、限られた時間でノーマンズランドの0.5㎜以下の血管を吻合できるよう練習に没頭。
しかし、ミヤビの気持ちを察した津幡(吉瀬美智子)から、「彼女が望んでいることをしてあげて」と言われ、あることを決意する。
過去2年間の記憶を失い、今日のことも明日には忘れてしまう——。
記憶障害という重い障害を抱えながらも、毎日綴る日記を頼りに明るく前向きに生き、多くの患者に寄り添ってきたミヤビ。
彼女の今日はまた、明日に繋がらなくなってしまうのか。
命の危機に瀕するミヤビと、彼女を救おうとする三瓶。二人を待ち受ける未来は——
第11話(最終話)の視聴レビュー
ミヤビと三瓶に初めて訪れた静かな愛の時間
ミヤビと三瓶の短い同棲生活始まる
ミヤビが突然倒れたのは、海馬動脈の脳梗塞が再発して血管詰まりが肥大化し、血流が細くなったのが原因だった。
意識障害の恐れもあり、記憶もだいぶ持たなくなっている状態です。
もう、手術を成功させるしかミヤビを救う方法はないのですが、現段階では不可能なのでした。
焦りと闘いながら、ノーマンズランドの手術の練習に没頭する三瓶でしたが、ミヤビに残された時間が少ないことに変わりはありません。
手術の成功の可能性がないのだとすれば、ミヤビの残された時間を共に過ごすことは、とても大切です。
ミヤビもそう願っているのではないかとの配慮から、看護師長・津幡は手術の練習に時間を費やす三瓶に声をかけます。
「川内先生のそばについていなくていいの?もう、記憶が数時間しか持たない状態ですよね。彼女の望んでいることをしてあげて。」と。
ミヤビ本人だけでなく、誰もが、ミヤビに死が近づいていることを言葉にはしなくても意識していました。
手術の練習という不毛に思えることに時間を費やせるほど、ミヤビの命の残り時間は待っていてはくれないのです。
三瓶は、やっと手術の練習をやめ、休暇をとってミヤビと一緒にに同棲して過ごすことに決めました。
もちろんミヤビも承知の上です。
最後の貴重な時間という事であれば、実家の家族も共に過ごしたいと願うでしょうが、ミヤビにとって一番安心で幸せでいられるのは三瓶がそばにいることだと理解していたのかもしれません。
2人が共に暮らす期間は、朝と夜が繰り返し訪れる回数から見ると、おそらく3日ほどの短い間だったろうと思います。
ミヤビはもうわかっていました。
たとえ婚約者であった頃の記憶が戻らなくても、自分が三瓶を信じ、大事に思い、愛していることを。
過去の三瓶は覚えていないけれど、現在の目の前にいる三瓶をミヤビは好きなのです。
そして愛する三瓶との永遠の別れが近いことも。
三瓶も同じ。
成す術もないなら、せめて、わずかなミヤビの記憶がある時間を共に寄り添って過ごしたいと。
2人で過ごす初めての夜は、ミヤビが三瓶のためにご飯を作りました。
栄養ゼリーパックのような物を食べようとする三瓶を見かねて、キッチンに立ったのです。
小さな食卓に差し向かいで食事をするシーンはまるで新婚の夫婦の様でした。
そこには脳外科医の三瓶先生ではなく、愛する婚約者を慈しむただの男がいました。
初めて食べるミヤビの手料理に三瓶は嗚咽をこらえるのに必死でした。
感極まるのです。
そんな三瓶の様子に「美味しいですか?」と優しく微笑んでミヤビは聞きます。
「美味しいです。」と泣きそうになるのをやっと抑え、答える三瓶。
「美味しいともっと幸せになります。」とミヤビ。
ただゴハンを作って愛する者と食べるという、一見当たり前に見える日常は、二人にとっては最初で最後になるかもしれない尊いものだったでしょうね。
何もなければこのまま結婚して、こういった平穏ながらも満ち足りた日常を続けられたはずです。
翌朝は、三瓶が二人分の目玉焼きを焼き、ミヤビに言われた通りにヨーグルトも出します。
ミヤビに「美味しい。」と言われて、子供のように嬉しい表情を見せて控えめに笑う三瓶。
束の間の同棲生活が3日程廻ったところで、ミヤビが朝ピクリとも動かず目覚めなくなりました。
脳梗塞の完成なのか?
目覚めないミヤビ。動かないミヤビ。
心がざわついて絶句する三瓶。
そこには優秀な脳外科医・三瓶先生は存在せず、半べそをかいてオロオロする婚約者の男・三瓶の姿がありました。
病院に電話を入れるときも泣きベソをかいたまま声を詰まらせて「脳梗塞が完成したと思います。」と言うのがやっとでした。
救急部長・星前(千葉雄大)の「わかった。俺も行くから。」の声に、やっと心を落ち着かせようとします。
三瓶がふとカバンを開けたら、ミヤビが書いた三瓶への手紙がありました。
三瓶の寝姿の似顔絵と「私の心は三瓶先生を信じています。いつまでも忘れません。 川内ミヤビ」と記されていました。
まるで愛の遺書であるかのように。
それを見てまたもや泣いてしまう三瓶です。
ミヤビの日記を手に取り読むと、「今日できることを精一杯やる。私には今日しかない。
私の今日は明日に繋がる。」という文字が目に入ります。
過去の日記も読みながら、三瓶の脳裏にはたくさんの患者たちを救ってきたミヤビのひたむきな姿が走馬灯のように浮かび、もう涙は止まらなくなりました。
手の甲で涙でクシャクシャになった顔を何度も何度もぬぐう姿が切ないです。
もう演技ではありませんでしたね。
演技を超越していました。
こんな風に感じたのは、私も初めてです。
演技をしてるはずなのに、子供のように、こんなに自然に当たり前に泣く俳優を私は見たことがありません
ミヤビの手術ができる条件が整った
ミヤビのこん睡状態から来る中枢性低体温症が手術の条件を可能にする
星前と看護師の森陽南子(山谷花純)が到着して、森がミヤビに手を当てると「冷たい」と一言。
死んでいるわけではありません。さすがに三瓶は医師なので確認していました。
「低体温症を併発してるんです。川内先生の海馬動脈は特殊なので。」と言いかけて、三瓶は何かにハッと気づいたようです。
「ついたらすぐMRI撮りますよ。まだ脳梗塞は完成していないかもしれません。」
いつもの脳外科医・三瓶先生に戻りました。
病院に到着後に撮ったミヤビの脳のMRI画像をチームの医療スタッフ達で見ました。
「やっぱり、脳梗塞は完成していませんでした。このまま低体温を維持できれば8分間の血流遮断に耐えられる可能性があります。」と確かめるように報告する三瓶。
「8分あれば僕は縫えます。」
最後の三瓶の縫合練習の時間は最初の8分45秒から7分27秒台まで短縮できていました。
決意と覚悟の言葉です。
しかし、綾野の意見は、「8分じゃ足りないかもしれない。」との見立て。
血管が伸びてバイパス入れないと届かないのが理由だそう。(専門的なことはよくわからないのですが・・・)
どうやら2か所縫う必要がありそう。
三瓶一人では間に合いそうにありません。
そこになんと、大迫教授が現れて「両側から縫えばいい。」「僕が一緒に縫うよ。」と手術に参加することを申し出たのです。
最強メンバーが力を合わせ手術は成功
三瓶と大迫が執刀、縫合を担当。綾野と星前が手術助手。
そして、看護師長のベテラン津幡、麻酔科医の成増(野呂佳代)と最強のメンバーがミヤビのために力を尽くします。
「海馬動脈血流再生術」は7分57秒の血流遮断時間内に終了でき、成功しました。
三瓶は、もう8分以内に縫合できるようになっていましたが、確か大迫教授は以前には10分かかったと言ってましたよね。
三瓶だけでなく、大迫教授も時間短縮できるまで一人で練習を重ねていたに違いありません。
また、動脈の手前の血管が邪魔をしているとわかると、星前が「僕がよけます」と協力しました。
成増に「左手使ってましたね。」と言われたとき、星前も否定しませんでした。
右利きの星前は以前三瓶に「手術に参加するなら両手を使えないと」と三瓶に指摘され腹を立てたことがありました。
でも、あれから左手も使えるようにひそかに訓練したに違いありません。
本当にみんな医者です。
大迫教授、あなたもです。
疑ったりしてすみませんでした。_(._.)_
あなたなくしてミヤビの手術の成功はありませんでしたよ。
「お疲れ様でした」と大迫教授をねぎらう三瓶。
三瓶の肩に手を置いて「ありがとう。見事だったよ」と三瓶の技術の確かさを素直に賞賛する大迫教授でした。
これまでの二人の間の対立は、ここですべて消えました。
そして、さらに三瓶は手術に参加したメンバー達に向かって、深々と頭を下げ、「みんな、ありがとうございました。」と目を潤ませ感謝します。
まるで、自分の身内を助けてもらったかのように。
そうです。
自分にとってかけがえのないミヤビと言う婚約者を救ってもらったのです。
ここは執刀医と言うよりは患者の家族の気持ちに近い気がします。
夫の気持ちと言ってもいいかもしれません。
三瓶を見つめながら、メンバー達も何も言わず、ただ優しく温かい眼差しで三瓶を見返すのでした。
三瓶とミヤビの婚約の真実がわかる
ケープタウンの国際会議で出会った三瓶にミヤビは恋をしていた
ミヤビの記憶から消えた三瓶との出会いから婚約に至るまでを、ミヤビは二人で過ごす間に三瓶から聞いていました。
南アフリカのケープタウンで開催された医師の国際会議でスピーチをした三瓶に、ミヤビはとても心を動かされた様子です。
わざわざ会場の三瓶のテーブルのところに行き、「三瓶先生の照らす光、これからも見たいです。スピーチすごく素敵でした。」と伝えたのでした。
この時のミヤビは、どうしても三瓶に言葉をかけたかったのでしょう。
そして、三瓶をその場限りの存在にしたくないと思い始めていたはずです。
会議後、観光に行った近くの島で、新型ウィルスが発生し、その時島に居た者たちは皆隔離されました。
そのうち、日本人は帰国できるようになったのですが、隔離所で三瓶は感染してしまい、取り残されました。
周りで亡くなる者を見る日々。
三瓶は、「自分もあのように死を迎えるのかもしれない。」という不安に苛まれたことでしょう。
心細く孤独な暗闇にいるような気持ちだったのかもしれません。
その時、両手で三瓶の手を包み込んで、「大丈夫ですよ。」と防護服で身を包んで励ましてくれた女性がミヤビでした。
この時の三瓶は、どんなに心の中が明るく、生きる力が湧いてきたことでしょう。
以前、ミヤビは三瓶に「三瓶先生は私の心を灯してくれました。」と言いましたが、まさにミヤビこそ、三瓶の心に希望と力の光を灯していたのです。
「え、帰らなかったんですか?」と驚く三瓶に「婚約者だと嘘をついて残りました。」とミヤビ。
そこまでするほど、ミヤビの三瓶への気持ちはもう止められなくなっていたと言えるでしょう。
ケープタウンの隔離病棟にいる間に、二人は暗闇の中に灯るロウソクの火を見ながら話をします。
三瓶の兄の話。
(三瓶)「兄は重度障害者でした。」
(ミヤビ)「三瓶先生もつらかったですね。」
(三瓶)「けど僕に悲しむ資格はありません。世の中も僕達も、兄のためにと言いながら、兄を見えないところに遠ざけただけかもしれません。そういう思いが消えないんです。」
「光を当てると影ができます。できた影にまた光を当てても、また新しい影ができます。アンメット、満たされない。どうしたらくまなく照らせるのか、その答えを探しています。」
兄は三瓶にとって光をあてようとしてできた影だったのでしょうか。
三瓶の心はそのことで今も満たされないままです。
その時、ミヤビは、ロウソクの光をあてるために三瓶が直方体に折ってロウソクの前に置いた紙を手に取り、ロウソクの周りをぐるりと囲むように置いて言ったのです。
(ミヤビ)「こうすると影が消えます。ねっ。」と。
確かに、ロウソクの光に照らされるように置かれた紙には光が当たるけれど、紙の向こうの壁には紙が作った影ができます。
ロウソクの光を内側に取り込むように紙で囲むと、どこにも平等に光が当たり、影もできません。
「だからお腹が空きます。」
とミヤビは言うのでした。
ロウソクの光と影の話から、お腹が空くのがどう結びつくのか?
(三瓶)「えっ?」
(ミヤビ)「日本に帰ったらゴハン行きませんか?」
(三瓶)「いいですよ。」
こんな隔離病棟の暗い部屋の中で、日本に帰ってから焼き肉丼を食べることを楽しみにしているミヤビに三瓶は新鮮な驚きを感じたに違いありません。
「・・あの、不安じゃないんですか?」
(ミヤビ)「不安ですよ。」
「でも、自分の中に光があったら、暗闇も明るく見えるんじゃないかなあって。」
この時のミヤビの光とは日本に帰って美味しい焼き肉丼を三瓶と食べる事なのか・・・?
自分の中の光とは希望です。
故国から遠く離れた、新型ウィルス感染の隔離病棟の暗闇で、満足な食料があるわけでもなく、いつ日本に帰れるかもわからない。
でもいいのです。
「美味しい焼き肉丼を食べる。」と言う希望は暗闇を照らす光であり、自分の中に希望を取り込んだら、周りの暗闇だって明るく見えるのでは?
増してや、好きになった人と一緒にいるのだから、周りが暗闇であろうと明るく見えてしまうのではないでしょうか。
たまらず、三瓶は口にしていました。三瓶の心はもうミヤビにぐらりと傾いていましたよね。
「この人こそが自分の求める人だ。」と。
「川内先生、僕と結婚してくれませんか?」
ミヤビは「はい。」と答えました。
(三瓶)「僕もお腹が空きました。」
(ミヤビ)「んっ。」と袋をガサゴソさせながら取り出し、「これ食べますか?」と勧める。
(三瓶)「何ですかコレ!」
(ミヤビ)「グミです。」
奇妙な色と細長い形のグミを弄び、なかなか口にしない三瓶にミヤビが言います。
「咀嚼のように一定のリズムで運動を繰り返すと、幸せホルモンと言うセロトニンが分泌されて、幸せになります。」
言われた通りにグミの咀嚼を始めた三瓶にミヤビはまた言います。
「幸せですか?」
「はい」と三瓶は素直に答えました。
三瓶が以前記憶を失ったミヤビにグミを差し出して同じことを言っていましたね。
その時三瓶はケープタウンでプロポーズした時のことを思い出しながら追体験していたのかもしれません。
最初の謎のグミ、これで繋がりました。(笑)
まとめ
三瓶の両手に自分の手を包み込んでもらう中で、ミヤビは手術の後目覚めました。
「わかりますか?」とミヤビをのぞき込む三瓶。
「わかります。」と答えて涙が次から次へと流れてくるミヤビ。
これからは、ミヤビの昨日は今日へと繋がり、今日は明日へと繋がるのです。
ミヤビは、いつ終わるとも知れない記憶障害との長くて暗い孤独な闘いに、ずっと一人で耐え、挑んできました。
しかし、ある日、ミヤビのそばにやって来た三瓶がゲームチェンジャーとなり、ミヤビの心に光を灯し、その光で周りの病院スタッフ達をも照らし巻き込んで、ミヤビを人生の再生へと牽引してくれたのです。
ラブストーリーのようでヒューマンドラマのようで、ミステリーサスペンスのようでもあったこの物語はもいよいよ終わりです。
最後に残るのは、誇張した演技が皆無だった出演俳優達の表現力と演技をしているように見えない自然さです。
そこがこのドラマの人気の理由でもあるのでしょう。
久々に静かな感動が心に広がりました。
原作者が医者だったことから、医療現場のリアルも再現されて、臨場感あふれる良い演出だったと思います。
視聴レビューを書くときに頭に置いたのは、ドラマの中に答えがあるという事です。
私は、Netflixで視聴したので、停止ボタンと再生ボタンのクリックを繰り返し、じっくりと時間をかけて視聴しました。
大雑把に一度見ただけではドラマの深さに気付けなかったかもしれません。
記事を書くのは楽ではありませんでしたが、おかげでミヤビから生きる力をもらえました。
「自分の中に光があったら明るく見えるんじゃないかなあって。」というセリフが心に響きます。
私自身、何度も暗闇に囲まれた人生を生きてきましたし、これからも不安だらけの未来を生きる現実に変わりはありません。
だとしたら、私は自分の中にどんな希望という光を抱え込んでいけば、暗闇も明るく見えて生きられるようになるのか、考えさせられました。
でも、それはミヤビのように、案外たいそうなことではなく、ちょっとした発想の転換や、美味しいものを食べたり、楽しいマイイベントを作ることだったりするのかもしれません。
だから、明日の夜はマイイベントである蛍の鑑賞会に行ってきます。
(^-^)/
そんなささやかな楽しい出来事の積み重ねで人生は乗り切っていけるのかもしれません。
これまで視聴レビューを読んで下さった皆さん。
ありがとうございました。
皆さんも「アンメット」のドラマを力に良き日々を送られますように。
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