「僕たちは婚約していました」という三瓶の告白の記憶が蘇ったミヤビは、直接本人に本当かどうかを確かめたくて仕方ありませんが、言い出せないでいます。
記憶の回復と共に、記憶錯誤の症状も出てきたため、自分が思い出した記憶が真実かどうか確認する必要があります。
医療行為についての、記憶の内容確認はとても大事ですが、「婚約の記憶」となると、確認は一筋縄ではいかないようです。
アンメット第8話のあらすじ
関東医科大学病院の建て替えのため、西島(酒向芳)が綾野病院を利用するつもりだと知った麻衣(生田絵梨花)は、“ある決意”を固め、綾野(岡山天音)との結婚をやめると言い出す。
しかし、麻衣との結婚で西島グループの傘下に入らなければ、多額の借金を抱える綾野病院は確実につぶれてしまう。麻衣の真意が分からない綾野は、突然の婚約解消の理由が分からず困惑する。
息子の結婚のカラクリを知った綾野の父・勲(飯田基祐)は、経営再建のために過疎地医療を廃止することに猛反発。綾野は必死に説得を試みるが、とりつく島もない。
そんななか、往診に出かけた勲が、交通事故で頭部に外傷を負って丘陵セントラル病院に運び込まれる。
手術はミヤビ(杉咲花)たちの手によって無事に終わるが、勲には喜怒哀楽を抑えられなくなる「社会的行動障害」という後遺症が残り、しばらくの間、勲に代わって綾野が過疎地の診療所へ通うことに。
一方、三瓶(若葉竜也)から「僕たちは、婚約していました」と打ち明けられた記憶がよみがえったミヤビは、目の前にいる三瓶にそれが事実かどうか確かめることもできず、戸惑っていた。
さらに、以前に綾野と2人で美術館へ行き、そこで告白されたことも思い出して!?
事故による頭部損傷で、丘陵セントラル病院に運び込まれた綾野の父・勲。
手術で一命はとりとめたものの、高次脳機能障害の一種の「社会的行動障害」が後遺症として残る。
リハビリの一環なのか、勲とババ抜きをして遊ぶ病院スタッフ達。
楽しそうです。
回復してくれるといいのですが。
アンメット第8話の視聴レビュー
麻衣と綾野の愛の深まり
麻衣から婚約を解消すると言われた綾野は、その真意がわからず、戸惑っていました。
麻衣と結婚することによって、綾野病院の借金を返し経営を立て直すはずでした。
結婚しないとなると、それはできなくなります。
でも、そんなことより、麻衣と別れることになるという事実に綾野の心は揺れ始めたようです。
「麻衣は自分のことを愛していた」「実家の父に好きな菓子を送り、綾野のことを知らせる手紙も送っていた」「綾野を尊敬していると書いていた」・・・今さらながら綾野は気付くのです。
事故の後遺症で病院の仕事ができない父に替わり、過疎地医療を手伝うことでその必要性を実感した綾野は、西島会長に「綾野病院の過疎地医療を続けさせてもらいたい」と頼みに行きました。
その後、麻衣から「おじい様に頼んで過疎地医療を続けれるようにしてもらった。」、「綾野病院を西島グループが10億で買収します。負債8億を銀行に返して、残り2億で近くに新しくクリニックをつくれば、勲先生は過疎地医療を継続できる。」と報告を受けました。
「そんな条件…よく・・」と驚きと喜びを隠せない綾野。
しかし、「その代わり綾野家とは縁を切ります。わたしは滝川病院の息子さんとお見合いします」「私は誰とでも結婚する覚悟ができてるの」「今まで優しくしてくれてありがとう」と麻衣から言われ、綾野は動揺してしまうのでした。
それでいいのか~???
実家に贈られた麻衣の手紙を読みながら物思いにふける綾野です。
「カテーテルに一生懸命取り組む楓(綾野の名前)さんを尊敬しています」「そんな楓さんが大好きです」と綾野の様子を実家の親に手紙で知らせてくれていた麻衣の優しさ。
「そんなにミヤビちゃんが好き?」「そんなに忘れられない?」・・悲痛な表情で自分を見つめた麻衣。
麻衣を傷つけてしまった・・・後悔と申し訳なさが胸をよぎります。
綾野は決意しました。
「カテーテルも、過疎地医療も、綾野病院も諦めない。麻衣のことも誰にも渡さない」
「もう一度最初からやり直そう。」「俺と一緒にいてほしい」「一緒に自分の人生を生きよう」
と麻衣を抱きしめる綾野でした。
何も現実の問題は解決しないのに、それでもいい、愛があれば大丈夫。
表面的でドライな付き合いをしてきた二人だったのに。
今は誰よりも熱い二人でした。
愛とはそういうものなのですね。
遠い昔に、「僕と一緒に生きてくれませんか」という言葉を聞いたことがあります。
綾野の麻衣への言葉が思い出させてくれました。
なんかいい気持ちです。
「儲け医療の人間達」VS「良心医療の人間達」
・儲けることを優先する西島会長と麻衣の叔父・雄一達
医療をビジネスととらえ、利益の拡大を優先する人間達がいます。
お金に不足もないのに、もっともっとと病院の拡張に欲を出す西島会長と、麻衣の叔父・雄一。
大迫教授も拡張工事の計画を担当していましたが、儲け医療優先の人間達と同類なのでしょうか?
綾野病院の過疎地医療を続けさせてもらいたいと頼み込む綾野に、叔父の雄一は冷たく言い放ちました。
「今さら何言ってんの?」「過疎地に住み続けるのは、住民たちの自己責任だろ?」
何不自由なく暮らしてきた、人の痛みのわからない金持ち息子の言い草ですね。
・巨額の借金を抱えても押しつぶされず、医者の良心で地域過疎医療に尽力する綾野の父・勲
自転車で夜まで地域を回り、診療にあたる日々を送っていた綾野の父の・勲。
儲けなんかこれっぽっちも考えたことがなかったに違いありません。
小さな病院ですし、過疎地ともなれば大きな手術で医療報酬が入るという機会もなかなかないでしょう。
病院の経済事情はよく分かりませんが、それにしても8億の借金は想像がつきません。
首をくくりたくなるような多額の借金ですが、それにも押しつぶされず住民の医療にあたる勲の情熱は、医師としての良心の塊のようです。
息子の楓(かえで)もまた、父の不在の間、地域住民の医療に携わることで、医者が切実に必要な住民の気持ちがわかり、過疎地医療を続けたいと思うのでした。
勲や楓の医療行為を尊敬し応援したい麻衣も、良心医療の人間達に入るでしょう。
ミヤビや三瓶をはじめとする丘陵セントラル病院のスタッフ達も、もちろんそうです。
「勲先生って過疎地医療に力入れてたじゃん。儲からないからって、切り捨てられないからな。」という星前に、風間が「まあ、しょうがないんじゃないですか、病院だって商売だし、赤字の部門は・・・」と答えていました。
それを聞きとがめた三瓶は言っていましたよね。
「犠牲になるのは部門じゃなくて人間ですよ!しょうがないと切り捨てないで下さい!」と。
さすがです。
ミヤビは自分の中の三瓶への愛の感情に気づいたのか?
「美術館に行っても何も思い出せなかったから、もう綾野先生と二人で会うのはこれっきりです」と三瓶に報告したミヤビでしたが、三瓶は「あっそうですか」とそっけない。
「なんでそんなこと僕に言うんですか」と答える三瓶をじーっと見つめた後、「わかりません」とプイと背を向けたミヤビの表情はイラっとしているように見えます。
「僕たちは婚約していました」と三瓶が言ったことの記憶が蘇ったミヤビは、「それなら三瓶は、何故、普段自分に愛している気持ちを表現しないのだろう」と疑問に思っても無理がありません。
そして記憶を取り戻すためとはいえ、綾野と二人で美術館に行ったことは、三瓶に対して失礼ではなかったかという気配りもあったのかもしれません。
しかし、それ以上に「なんでそんなことを僕に言うんですか」と言う三瓶の答え方は、「恋人関係でもないのに、そんな報告をされる言われはないよ」という意味に取れます。
記憶錯誤の症状もありましたから、「僕たちは婚約していた」という記憶が真実か本人の三瓶に確かめたいミヤビ。
しかし内容が内容であるだけに、ずばり聞き出せない。
手がかりが得たくて三瓶の反応も無意識に気にかけていたかもしれません。
それなのに、何事もなかったかのような三瓶の反応は不安になります。
「えっ?私と婚約してたんでしょ。他の男の人と二人で会ってきた私のことが気にならなかったわけ?」「今はもう、私を愛していないの?平気なの?」、「それとも「記憶そのものが自分の思い違いだったのか」・・・・モヤモヤ・・モヤモヤ。
ミヤビは三瓶に対する自分の気持ちが愛だという事に気づいたのでしょうか?
「強い感情は忘れません」「記憶を失ってもその時感じた強い気持ちは残るんです」と三瓶は言っていました。
ミヤビには以前三瓶に対して抱いた強い恋心、愛情が残っていて、だんだんそのことに気づき始めたような気がします。
あー、それにしても三瓶のミヤビへの態度は、不器用すぎます。
イラっとされても仕方ありませんね。
三瓶先生、あなたはミヤビが記憶を取り戻して、自分のことを愛してくれるのを待っているんですか?
今回は、ミヤビに対して表面上は何も態度を変えることなく、同僚として接している三瓶に何か煮え切らないものを感じました。
いつもの居酒屋「たかみ」で、三瓶は星前から「お前、ミヤビちゃんのこと、このままでいいのか?」「お前が動かないから、ほら、先に綾野と美術館行ったの思い出しちゃったじゃん」と矛先を向けられました。
すると三瓶は「時間勾配というのがあって、通常発症地点から近いことの方が思い出しにくくて、遠い過去の方が思い出しやすいんですよ・・」と理屈をこね始めます。
「僕と会ったのは美術館の後ですから。」ですって。
だから、時間勾配の法則に従うと思い出す順番として正しい。自分が何も動かないせいではないと言いたいのでしょう。
星前はしかめっ面をして「う~ん、そうだよねっ。」と不服そうにあきれ返りますが、看護師長の津幡は真剣に考え込んでから、三瓶に言うのです。
「いやね。記憶が戻ったからって、その時の気持ちがそのまま戻るとは限んないのよ。」「大事なのはね。今のね、今の気持ちだよ」「わかる?」
三瓶は、黙って頷きます。
ホントにわかった?
もしかして、あの頃のミヤビの自分を好きな気持ちが、記憶が戻ることで解凍されて、目の前に差し出されるのを待っている?
今、愛を告白して、付き合ってくれと申し込んでみるのはどうでしょう。
ミヤビに断られれるのが怖いですか?
過去のミヤビをそのまま取り戻したいと思っているなら、ちょっと考えた方がいいですよ。
なんだか、今回のミヤビに対する三瓶先生の態度は、共感できませんでした。
照れやかわいらしい綾野へのジェラシーもいいですけど、たいがいにして、そろそろミヤビに正面から愛を告げ直してはどうでしょうか。
医学的な根拠があるならともかく、行き過ぎるとらしくないですよ、三瓶先生。
第8話を視聴して浮上した疑問
1.麻衣の家族は祖父と叔父と母親の4人家族で、父親の姿がない。
しかも母親は家政婦扱いの境遇に甘んじている。
麻衣の父親はどうしたのか疑問に思いました。
2.いつも出てくる綾野の「カテーテル」、今回は父親の口から「カテーテルの道」という言葉が出てきた。
どういうことなのか、それほどに重要になってくることなのか、意味がつかめません。
まとめ
綾野と麻衣の愛の進展から、過疎地医療の問題、ミヤビに対する三瓶の態度、いろいろ考えさせられた濃い内容の第8話でした。
結構、深堀してしまったところもあります。
最後の場面は、「私の記憶障害のホントの原因は何ですか?」と大迫教授に真剣な顔で問いただすミヤビの衝撃発言。
ミヤビは優秀な脳外科医ですから、抗てんかん薬の服用量を増やしても、記憶の回復が遅れているもどかしさに、他に原因があるはずと確信したのでは?
三瓶も「大迫教授はまだ何か隠しているのかもしれない」と言っていました。
第9話では、真相が明らかになるのでしょうか。
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