大迫教授が嘘をついていたことが判明し、坑てんかん薬の服用量を増やして記憶障害を治す方向に舵を切ったミヤビでしたが、そう順調な回復とはいかないようです。
ミヤビに記憶を取り違える「記憶錯誤」という症状があらわれて、周囲の心配が高まります。
医療ミスにつながったら、脳外科医としての未来に大きな暗雲が立ち込めることでしょう。
第7話は、「記憶錯誤」という問題をミヤビや周りの人間達がどう捉え、向き合っていくかに注目です。
「アンメット」第7話のあらすじ
抗てんかん薬を増やしたことで、断片的ではあるものの、前日のことを覚えていられるようになったミヤビ(杉咲花)。
本人はもちろん、森(山谷花純)や成増(野呂佳代)ら、これまでミヤビを支えてきた医局のメンバーもうれしくてたまらない。
しかし唯一、三瓶(若葉竜也)だけは、記憶障害の改善の仕方に違和感を覚え、表情が晴れない。
そんななか、ミヤビのお祝いも兼ねて、高美武志(小市慢太郎)が営む居酒屋『たかみ』をいつものように訪れた一同は、料理の味がいつもより濃いことに気づく。
ミヤビの勧めで検査をしてみると、脳に髄膜腫(ずいまくしゅ)という腫瘍があり、その影響で嗅覚が落ちて味つけが濃くなったことが分かる。
手術は可能だが、腫瘍切除の際に神経が傷ついて嗅覚を失う可能性が高く、極めて難易度の高い手術になる。
しかし手術をしなければ、やがて命にも関わる。料理人として究極の選択を迫られた高美は…。
一方、ミヤビは前日の記憶こそ残っているものの、その内容に間違いが多いことに気づく。
ついには、治療中に患者を取り違えそうになり、恐怖で立ち尽くす。
三瓶は、脳の中で記憶がすり替わる“記憶錯誤”が起きている可能性を示唆するが、残念ながら治療法は解明されていないという。
新たな壁に悩まされながらも、高美に寄り添いたいと思うミヤビは…。
第7話では、政略結婚の婚約者同士の関係であった綾野と麻衣に、これまでとは違た心の変化が・・・。
綾野は麻衣の意外な優しさを知ることになり、気遣い始めます。
麻衣は、どうしても綾野の心を自分に向けることはできないと悟り、綾野のミヤビへの思いを許し、綾野の本当の幸せ願います。
「アンメット」第7話の視聴レビュー
抗てんかん薬の服用を大迫教授に黙って増やしたことで、前日食べた豚足のことまで覚えていたミヤビ。同僚達はミヤビのささやかな記憶回復をともに喜んでくれるが、順調なことばかりではなかった。
また、ミヤビの行く先に大きな壁が立ちはだかる。
ミヤビの記憶障害回復と記憶錯誤
少しずつ記憶を取り戻し、昨日が今日、明日へと続くことに喜びをかみしめるミヤビですが、記憶を取り戻す過程で「生じた記憶の取り違え」に動揺します。
前日、居酒屋「たかみ」で大将・高見武志(小市慢太郎)が作ってくれて食べた料理を「ぶり大根美味しかったですね。」と嬉しそうに星前に話すと、星前(千葉雄大)は「ぶり大根は女将さん(阿南敦子)が作ってくれたので、大将が作ってくれたのはミヤビちゃんの好物の焼き肉丼」と指摘を受けます。
また、道を歩いているときに受け取った開店チラシは「イタリアン」だと記憶違いをし、三瓶に「インドカレーだよ」と言われるまで気が付かなかったり、少しずつ「記憶のほころび」が見え始めてきます。
ある日、それが医療現場でも発覚。
なんと、ミヤビは自分が診察する患者を間違えてしまったのです。
治療を開始する直前に看護師の彩音に「川内先生、違います。」と指摘され、事なきを得ます。
現場に居合わせた星前も三瓶も大騒ぎすることなく、あとでミヤビと話し合うことに。
看護師長・津幡(吉瀬美智子)も交えて4人でミヤビの記憶の取り違えについて考察します。
「重複細胞が誤った記憶を結びつけることで記憶錯誤が起きているのかもしれません」と三瓶は分析しました。
解消されない記憶の勘違いを自覚したミヤビは、動揺はするものの、何とか克服しようとするのでした。
いつも書く日記に、「日記にできるだけ詳しく書いて入念に確認。自分の記憶にあること、思い出したことをそのまま信じず、しっかり確認したうえで業務にあたること。高見さん髄膜種について、私は来週が手術予定だと思っていたが、手術を受けるかどうかの返答が来週の予定だった。これも記憶錯誤。」と記し、記憶の確認を、より精度を上げ強化していくことで、記憶錯誤を乗り越えようと決意するのです。
ミヤビは、もう後戻りする気はありません。
それだけ記憶のないこれまでの日々は、ミヤビにとって苦悩であり、重いものだったのだとわかりますね。
綾野と麻衣の関係の変化
綾野(岡山天根)は実家の病院経営を救うため、麻衣(生田絵梨花)は政略結婚のための婚約者と割り切り、表向きの付き合いを続けてきました。
しかし、綾野は、ミヤビを気に掛ける綾野の態度に嫉妬を隠さない麻衣の意外な一面を見たり、麻衣が手紙と父親が好きな「かりんとう」を実家に送ってくれていたという事実を知り、麻衣への見方が少しずつ変わっていきます。
また、麻衣も西島グループの会長である祖父・西島秀雄(酒向芳)が、綾野の実家の病院を傘下に抱き込み、関東医大の拡張構想を進める企てを知って胸を痛めます。
綾野に思いを寄せている麻衣は、自分が結婚することで綾野を利用して傷つけることはしたくありません。
そのために、これまでの態度を変えて、ミヤビとも以前のように仲良くしようとしたり、綾野に別れの決意を告げたりします。
今後の二人の行方も気になります。
居酒屋「たかみ」の夫婦を演じる名脇役の力演
いつもミヤビ達医療仲間が訪れる居酒屋「たかみ」。
大将・高見武志と女将・高見香織(阿南敦子)のふるまう料理と暖かいもてなしは、ミヤビ達を癒やしてくれます。
しかし、いつもの味付けより濃い大将の料理に違和感を抱いたミヤビは、脳の検査を受けることを進めます。
その結果、大将は「髄膜種」が脳の中にできて嗅覚神経を圧迫しており、腫瘍を取り除かないと、料理人にとって致命的な嗅覚を失うことことがわかりました。
ただ、腫瘍と神経が密着していて、失敗すると神経を傷つけてこれも嗅覚を失う可能性があります。
苦悩する大将。
しかし、もう一度嗅覚を取り戻すことに賭け、手術に挑むのでした。
そして、ミヤビの執刀と三瓶やスタッフのサポートで、手術は成功します。
今回の7話では、この二人の夫婦の力演がドラマをいっそう深い感動に導きました。
いつもは脇役として、あまり取り上げられることのない二人ですが、二人の俳優としての紹介をしておきます。
大将・高見武志役:小市慢太郎(こいちまんたろう)さんのプロフィール
本名:小市義之
生年月日:1969年2月15日(55歳)
出身:大阪府
職業:俳優
出演作品:「救命病棟24時」「アテンションプリーズ」「てっぱん」等多数
女将・高見香織役:阿南敦子(あなみあつこ)さんのプロフィール
生年月日:1970年12月16日(53歳)
出身地:東京都
職業:女優、劇作家、演出家
出演作品:「花より男子2」「GTO」「まだ結婚できない男」他多数
ミヤビへの抗てんかん薬投与量は大迫教授が正しかったのか?
星前からの電話でミヤビに記憶錯誤が生じたという報告を受けた綾野は、大迫教授を訪ねます。
(綾野)「ミヤビちゃんの記憶錯誤は坑てんかん薬の量を増やしたからですか?」
(大迫)「そうだろうね。」「薬の量を増やせば、記憶錯誤が起こって、かえって苦しめることになる。」「症状を落ち着かせるなら、薬の量を戻すしかないだろうね。」
(綾野)-頭を下げながらー「申し訳ありませんでした・・・。」「僕まで大迫教授を疑って勝手なことをして・・・。」
(大迫)「まあ、君が気にすることはないんだけどね。」「苦労して見つけたベストな量だったんだよ。」
大迫教授との会話で、綾野は大迫教授のミヤビへの抗てんかん薬投与量の判断は間違っていなかったと考え、三瓶と共に大迫教授を疑って行った自身の行為を詫びました。
また、星前も、ミヤビの記憶錯誤が医療ミスにつながって自信を無くすのではないかと心配し、三瓶に「薬の量を元に戻した方がいいのかな」と聞いていました。
三瓶は「薬の量を戻したら、また記憶が戻らなくなります。」「記憶は仕事のためだけにあるわけではありません。」と否定したため、星前はそれ以上は追及せず見守ることにしていたのでした。
周囲の心配は高まりますが、三瓶だけは後戻りを全く考えず、心配はあっても記憶障害をなくす意志を曲げません。
「記憶障害」と「記憶錯誤」の苦しみを比較してどちらがより苦しいのかは、ミヤビ本人が決める問題です。
第7話の後半で、ミヤビは記憶錯誤対策を立てながら、大将の難しい「髄膜種」除去手術を見事に成功させます。
記憶錯誤でさえ、ミヤビが脳外科医として仕事をする障害ではなくなったのです。
ミヤビは、手術成功後の大将の店で「記憶障害にもだいぶ慣れてきた。混乱も抑えられるようになったし・・」と話しています。
星前の「薬の量は増やしたままにするんだね。」という質問にも、きっぱりと「はい、なんか、小っちゃなことでも覚えていると、生きてるって感じがしてうれしいんですよね。」と答えています。
だから、大迫教授の判断が正しいかどうかは、ここでも「違う、やはり間違っていた」と言わざるを得ません。
大迫教授より三瓶の判断を信じて不完全な記憶回復でも前に進むミヤビ
第7話では、ミヤビと三瓶が一緒に歩いているシーンがよく出てきました。
二人の距離が縮まり、信頼が強まってきているのが感じられます。
川沿いの土手を二人で歩きながらの会話に、ゆるぎない今後の決意と前に進む覚悟が垣間見えます。
これからは、ミヤビ一人の戦いではなく、三瓶と共に立ち向かっていくのだとわかり、なんだか暖かい気持ちに包まれました。
(ミヤビ)ー道端の薄紫のアヤメの花を触りながらー「昨日まで蕾だったんですよ。」
(三瓶)「ふーん。覚えてるんですね
(ミヤビ)「はい」「なんか、季節とか・・町並みとか・・・こう変化するものをちゃんと感じられると、昨日と今日はつながってるんだなあって。」「うれしくなります」
(しばらく黙って歩いたのち)
(ミヤビ)「三瓶先生」
(三瓶)「はい」
(ミヤビ)「頼っていいですか」
(三瓶)ー大きく頷いてー「回復に向かって一つずつ壁を超えていくと、必ず次の壁が立ちはだかるものです。記憶障害に限らず、続けるほどにその壁は険しく高くなっていくかもしれません。でも、今回の手術では川内先生の力が必要です。」
「一緒に戦いましょう」
前に進む戦いは、二人の愛の過去を取り戻す戦いでもあるのかもしれません。
是非辿り着いてほしい。
二人が出会い愛し合った頃のあの場所に。
まとめ
大将の手術成功の祝いの席で、スパイスにむせて鼻水も垂れてると指摘された星前が、「やだ、ミヤビちゃん、日記には書かないでおいてよ!」と懇願の一言を発します。
「日記には書かないでおいて」と言うフレーズに反応したミヤビ。
「今から言う事は日記には書かないでおいてください。」
「僕たちは婚約していました。」
ミヤビに三瓶の告白の記憶シーンが蘇ったのでしょうか、ミヤビは三瓶の横顔を思わず見つめてしまったのです。
もし、三瓶が婚約者であったことを思い出したのなら、今後の二人の関係はどのように変化し、発展していくのでしょうか。
ここから、物語の大きな歯車が周り始めるのかもしれません。
第8話で二人の関係がどう変化していくのか気になります。
コメント