最近よく耳にするようになった「カオスガーデニング」ですが、どういったガーデニングスタイルなのか知っていますか?
私は家の庭づくり始めてから30年以上になりますが、ここ数年やっている私のやり方は、どうやら今はやりの「カオスガーデニング」と呼ぶものらしいとわかりました。
そうか、それと知らずに自分の思い付きでやっていたことは、「カオスガーデニング」の先駆けだったのだなあと少しばかり得意な気持ちになりました。
そこで、「カオスガーデニング」とはどういうものか、またその魅力や作り方についても自分の経験を交えてお伝えしたいと思います。
カオスガーデニングとは
一言で言うと、カオスガーデニングは、「庭づくりの決まり事にとらわれず、自然に委ねて自由に気ままに庭をつくるやり方」のことです。
英語では”Chaos Gardening”と言い、”Chaos”(カオス)は「混沌・無秩序」という意味です。
「植物の勝手でしょ」と言わんばかりに、生育条件が最適な場所に種が撒かれると、思い思いに育ち始めるので、ごちゃつき感があるのは否めません。
しかし、庭にはダイナミックで生命力にあふれた植物達がのびのびと育ちます。
つまり、自然淘汰で生き延びた植物たちがひしめき合うようになるのです。
「自然本来の美しさを最大限にを引き出し(出典:lovegreen.net)、なるべく化学肥料や農薬を使わずに環境にやさしい庭を造ること(出典:gardening.news.net)」という点では「ナチュラルガーデン」と似ています。
「自然であるように見せかけながら、それを意図的に美しさが際立つように手間をかける」のが「ナチュラルガーデン」ですが、「カオスガーデン」はそんなことすら考えず、無作為にいろいろためしてその結果を楽しむやり方です。
文字通り「カオス」なのです(笑)
それを面白がり、ハマるガーデナー達が増えたのでしょう。
私もその一人です。
最近はTikTokでも話題になり、盛り上がっているようですね。
@scooters.mom Just throw ‘em to grow ‘em. Its amazing what will grow when being neglected. #gardening #vegetablegarden #backyardgarden #wildflower #yardwork #sahm #momlife #momhobbies #gettingold #chaosgarden #chaosgardening #momswithtattoos
あの由緒正しい英国王立園芸協会の2023年春のチェルシー・フラワーショーに、この「カオスガーデニング」の庭も展示されました。
カオスガーデニングの魅力とは
何よりも庭仕事が楽になります。
株分けしたり、花柄摘みしたり、剪定したりの作業はぐんと減ります。
全くやらないわけではないですが、植物がぐんぐん元気になってあまり隙間ができないので、植物それ自体の姿形があまり気にならないのです。
(2袋の千日紅の種をバラまいて、芽が出たのは2粒のみ。でも大きな株に育って存在感満点)
手入れと言ったら、成長の妨げにならないよう枝葉を鋤きこんだりして、風通しを良くしてあげるくらいです。
花もモリモリとボリュームが出るので、枯れた花は元気な花の影に隠れて目立ちにくいです。
水やりはよっぽど暑くない限りしません。
庭の土から根を伸ばして水分を吸い上げる植物に任せ、時々の恵みの雨で十分です。
秋にたくさん撒いたネモフィラの種が、冬の暖かい日に葉っぱをつけるまでに育ち、雪の下でも死なずに、春に満開の花を咲かせたときは感動しました。
(秋に種をバラまいただけのネモフィラ、葉をつけたばかりで何度も雪の下に埋もれていた)
買った花苗を植えるだけだとそうはならないのです。
種から育った花は本当に丈夫で、色も鮮やかです。
花苗をたくさん買う必要はなくなり、コスパがいいのも嬉しいですね。
やってみると、まだまだ他の魅力も発見できるかもしれません。
カオスガーデンの作り方
先ずは種をまける畑スペースを用意しましょう。
撒くときには、種が根付ける程度にはざっくり土を耕して、育てたい植物や野菜の種を育ってほしい場所にバラまきます。
嫌光性の種なら、土に埋めると発芽率は上がると思いますが、撒きっぱなしで芽を出すような好光性の種なら、ただバラまいても大丈夫。
実は最近はそれすらも気にせず大雑把にやっています(笑)
落ち着くまでは水やりをしておきます。
大概は種の袋に種の扱いについては書いてありますから、気になる人は見ておいた方がいいでしょう。
また、捨てようかと思う食べたゴーヤの種とか、アボカドの種とかもダメ元で埋めてみると面白いですよ。
アボカドの種も育ちました。
しゃれた鉢とかに土ごと入れて水さえやっとけば、ちょっとした見栄えのする観葉植物のインテリアになります。
ゴーヤの種は春に埋めたので、夏には育っていたら嬉しいです。
また、秋の庭じまいの時に、種をつけたままの枯れた植物は、種部分のところをそのまま地面に置いて土となじませておくと、雪解けの後に芽吹きが訪れます。
オルレアホワイトレースはそうやって十分育ちました。
引用:(from shiny.garden.com)
マリーゴールドもいっぱい種をつけていますから、種も買わずにすみました。
本当に、種が土にあるだけで、季節ごとにちゃんと咲いてきてくれるのです。
そのためには、できるだけいい土にしておくことがガーデナーの役割でしょうか。
(2年前にまいたレッドクローバーの種が土に混ざって運ばれて、離れた場所で咲いてた)
除草剤使わずに、雑草だけは自分の手で取っています。
コンポストも作り、一年ほど寝かせたものを今春には土にすき込みました。
コーヒーかすも捨てずにためておき、乾燥してから土にまいています。
カオスガーデンは、植物たちと語らいながら、植物が要求していることを考え、世話をして反応を見ます。
喉が渇いたのか、暑いのか、害虫にやられて痛いのか・・・自分の子供のように観察するのです。
植物とガーデナーの共同作業のようなものですね。
何でも、試してみて、結果をみながら植物と共に育つ庭は楽しいのでオススメです。
まとめ
最近話題のカオスガーデンは、ルールにとらわず、多様な植物のあり様を受け入れて庭づくりをするスタイルです。
自然と共生していることを直に感じられ、自由気ままに植物の生命力に任せて庭をつくる楽しさが魅力です。
毎朝起きたら庭に出て、お日様を浴びながら、ダイナミックに育つ植物たちと触れ合ってみてはいかがでしょうか。
自分もまた、植物たちと同じ土に立つ自然界の生き物であることにふと気づくかもしれません。
自然界も人間界も多様なあり方を受け入れていくのがトレンドです。
コメント